Title:I’ll Be Home For Christmas 帰郷
2024/9/12
透明な声色の歌姫が、「クリスマスには家に帰る I’ll Be Home For Christmas」を歌った。
故郷を遠く離れた兵士が綴る、手紙の歌だ。
ニューイングランド調な旧家のサロン。客席から見守る母を見つめ、グランドピアノの上に置いた封筒を歌いながら開く。彼女が敬虔なクリスチャンの家庭を離れ、単身渡米したのは16歳の時。
故郷を離れている誰もが、遠い空と、遥かな時の果てに、儚い思い出を甘いも苦いも置いてくる。
彼女の故郷では、少女猫ミードロシーが待つ居間に、変わらぬ愛が降り注いでいた。
クリスマスの翌日生まれだった、アフリカ系米国人の友は、物心がついた頃の誕生日、修道院の前に捨てられ祝う心を失っていたが、涙をぬぐう。
『私、今年からクリスマスを、好きになれそう』
歌詞の最後に、多くの涙の答があった。
I’ll be home for Christmas. If only in my dreams.
この兵士は、家に帰ってはいない。小川のように流れ出る澄み切った歌声は、帰れない想いを歌っていたのだ。
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